河川の水質調査

生活環境

はじめに

河川の水質調査をしていると昔より水はきれいになっている気がしますよね。

私も子供の頃、近所の川で釣りをしてニジマスが釣れました。

家に帰ってさばいてみるとキラキラしてました。

界面活性剤ですかね。

確かに川はゴミや泡が立っていた気がします。

今はその川には、ゴミや泡はあまり見受けられません。

でも何で川がきれいになったのでしょう?

理由はとても簡単で下水道が整備されたことなんです。

平成の前半の頃はまだ下水道が通ってないところが結構あり、そのまま汚染された水などを処理せずに川に放流していました。

工場や事業場なども処理などの意識は少なかったと考えます。

それが今はちゃんと下水道管につながり、最終的に終末処理場まで行き処理されて、川の水が良くなったということなんです。

もちろん浄化槽なども貢献していますね。

環境調査は長い期間、モニタリングします。

ほぼ同じ方法で採取、分析し、川の状態を記録して行きます。

その時の項目について解説して行きたいと考えます。

河川の調査結果

河川調査は国や県、市町村でモニタリングしています。

水産技術センターや市民団体が実施している場合もあります。

環境省だけでなく、国土交通省農林水産省、他省庁で水質以外の水生昆虫などを実施しているものもあります。

今はネットで結果を見ることが出来ますね。

参考:環境省 公共用水域 | 水質測定結果

環境基準項目

カドミウム、全シアンといった人の健康の保護に関する項目(以下「健康項目」という。)と、有機汚濁の代表的指標である生物化学的酸素要求量(BOD)又は化学的酸素要求量(COD)、水素イオン濃度(pH)、全窒素及び全燐などの生活環境の保全に関する項目(以下「生活環境項目という。)に大別されています。

健康項目

水質測定が開始された昭和46年度には8項目であったが、以降、順次見直され、現在では27項目となっている。

健康項目に係る環境基準は、全国の全ての公共用水域に適用されるものであるが、ふっ素及びほう素については、海域における濃度が自然状態で環境基準値を上回っていることから、海域には適用しないこととされている。

参考:環境省 健康項目

生活環境項目

水質測定が開始された昭和46年度には7項目であったが、以降、順次見直され、現在では13項目となっている(平成28年3月に底層溶存酸素量(底層DO)追加)。

生活環境項目の環境基準は、国又は都道府県が、水域群(河川、湖沼及び海域)別に、利水目的等に応
じて環境基準の類型指定を行った水域(以下「類型指定水域」という。)について適用される
こととされている。

底層DOについてはまだ類型指定水域が確認されていない。

参考:環境省 生活環境項目

トリハロメタン生成能

水道水源法」の規定に基づき、特定項目とされているトリハロメタン生成能については、平成7年度より測定が行われている。

要監視項目

この他、人の健康の保護に係る物質、または、生活環境のうち水生生物の保全に係る物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等からみて、直ちに環境基準項目とはせず、引き続き知見の集積に努めるべき物質を「要監視項目として設定し、都道府県ごとの水質測定計画への位置づけ等により知見の収集に努めている。

現在、要監視項目は、人の健康の保護に係る要監視項目として26項目、水生生物保全に係る要監視項目として6項目が設定されている。

主な調査項目の解説

河川などの水質指標について主に以下の項目がモニタリングされています。

水素イオン濃度(pH)

水中の水素イオン濃度[H’] を示十尺度で、 値が7の時はこれより数値が高い場合はアルカリ性低い場合は酸性を示します。

生物化学的酸素要求量 (BOD)

河川水などの有機物による汚濁の程度を示すもので、水の中に含まれている有機物が一定時間 一定温度のもとで微生物によって酸化分解される時に消費される酸素の量を言い、数が高いほど有機 物の量が多く、汚れが大きいことを示しています。

浮遊物質量 (SS)

粒径が2mm 以下の水に溶けない懸濁性の物質の量を示すもので、水の濁りの原因となり、浮遊物が 有機物である場合には腐敗して水質の悪化を招きます。

大腸菌群数

人間または動物の排泄物による水の汚染指標として用いられている細菌です。

大腸菌には温血動物の内に生存しているもののほか、草原やなどの土中に生存しているものも含まれますが、 一括して大腸菌群として測定しています。

溶存酸素 (DO)

水中に溶け込んでいる酸素の量のことです。 水の浄化作用や水生生物の生存には欠くことができな いもので、きれいな河川の水中には1L中に7~14mg程度含まれていますが、有機物の流入量が 多くなり汚濁が進行すると減少します。

また、一般に夏場より冬場の方が値は高くなります。

全窒素(TーN)

【河川の環境基準なし】

全富素とは水中に含まれている窒素濃度のことを言います。

水稲育成に対する障害は、1mg/L以 上とされていますが、5mg/L以上になると大きな障害が起こるとされています。

また、全りんととも に湖における 「あおこ(富栄養化)」の発生原因とされています。
河川における環境基準はありません。

全りん (T-P)

【河川の環境基準なし】
りんは地質中に広く存在する元素です。 自然水中のリン酸イオンは主に地質に由来しますが、 生物体の分解によっても生じ、 また、生活排水、工場排水、 農業排水およびこれらを処理した排水の混入により増加します。
河川における環境基準はありません。

塩素イオン (CL-)

【河川の環境基準なし】
下水、 家庭排水、工場排水およびし尿等並びにこれらが処理された水の混入によって増加するこ とが少なくありません。

なお、水道法による基準値は200mg/L以下となっています。

最後に

河川の調査項目に新たに加わってくるものもあります。

多くの知見が得られるようになり、微量物質でも調査出来る機器がそろってきました。

有機フッ素化合物などは今後の注目項目ですね。

有機フッ素化合物についてはこちらの記事も参考にして下さい。

有機フッ素化合物とは

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