はじめに
音は距離が離れるにしたがって小さくなります。
発生源の騒音レベルが分かっていれば、計算式によって受音点の騒音レベルが予測できます。
今回はこの予測式について解説していきたいと思います。
参考までに騒音・振動・低周波音でお悩みの方は以下の動画も参考にして下さい。
音源の種類
発生源の音には点音源、線音源、面音源と3種類あります。
この音源の種類によって予測式を使い分けていきます。
- 点音源
音源と小さい場合
音源と予測点の距離が離れている場合
発生源が点在している場合 - 線音源
音源が長い場合
道路など
道路交通騒音などを予測する場合 - 面音源
音源が大きい場合
音源と予測点が近い場合
工場の壁面などの近くで予測する場合
点音源の予測式
騒音の予測をする場合、点音源と予測することがほとんどであると考えられます。
倍距離で6デシベルの減衰です。
予測式は以下の通りになります。
10m(SPLr0=100として)
SPLr=100-20log((10/1)=80.00dB
20m(SPLr0=100として)
SPLr=100-20log((20/1)=73.98dB
線音源の予測式
線音源の予測式は2つに分けられます。
ほとんどの場合は倍距離で3デシベルの減衰です
音源が長い線状の場合
長い道路の音を離れた場所で予測する場合に用います。
10m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((10/1)=90.00dB
20m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((20/1)=86.99dB
音源が有限な線状の場合
工場などで音源が横に一直線に並んでいる場合を想定します。
96m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((300/3.14)/1)-20log(96/(300/3.14)=80.16dB
192m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((300/3.14)/1)-20log(192/(300/3.14)=74.14dB
例)
〇m地点はどっちの式?
r≦L/π
10m地点は?
10≦300m/10m
10≦30
①の式
r≧L/π
96m地点は?
96≧300m/3.14
96≧95.54
②の式
ほとんどの場合は①の式が適用される。
線音源の場合、距離が2倍離れると3dB減衰する。
面音源の予測式
面音源は基本的には減衰しません。
距離によって適用される式が少しずつ変わります。
例)
壁面がa=50m,b=60mの場合
16mまでは①に該当し、騒音は距離減衰しません。
16m~19mは②に該当し、線音源と同じ減衰になります。
19m以降は③の式が該当します。
16mまで減衰なし
16m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log(16/(50/3.14))=99.98dB
19m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log(19/(50/3.14))=99.23dB
19.1m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((60/3.14)/(50/3.14))-20log(19.1/(60/3.14))=99.21dB
30m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((60/3.14)/(50/3.14))-20log(30/(60/3.14))=995.29dB
50m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((60/3.14)/(50/3.14))-20log(50/(60/3.14))=90.85dB
60m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((60/3.14)/(50/3.14))-20log(60/(60/3.14))=89.27dB
120m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((60/3.14)/(50/3.14))-20log(120/(60/3.14))=83.25dB
180m(SPLr0=100として)
SPLr=100-10log((60/3.14)/(50/3.14))-20log(180/(60/3.14))=79.28dB
最後に
今回は騒音の距離減衰式についてまとめてみました。
実際の計算例も更新して行きたいと考えています。
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