固体を伝わる波
地面を伝わる振動ってどのように伝播しているかって思いますよね。
この伝わってくる振動って1つじゃないんです。
大体縦揺れが一番大きく感じるので、上下振動を公害振動としては計ります。
でも横揺れもあるんですよね。
横揺れは前後、左右に分けられます。
公害振動の場合はX,Y、Z方向って感じで分けます。
この固体を伝わる波動(振動)は以下に分類されます。
- 実体波
縦波(疎密波)
横波(せん断波) - 表面波
レイリー波
ラブ波
振動として重要なのは実体波(縦波・横波)と表面波(レイリー波)になります。
地震では最初にP波(縦波)が伝わります。
続いてS波(横波・レイリー波)が伝わります。
P波が緊急地震速報に使われていますね。
それぞれ速度は以下の様になっています。
P波:7㎞/秒 S波:4㎞/秒
震源が180km離れていれば1分の時間差がありますね。
疎密波・縦波
粒子は波の進む方向内で前後運動し、媒質内に疎密の波ができる。
圧縮波とも言われます。
体積の変化が起こります。
これは伝搬速度が最も速い。
伝搬によって波面が広がり減少します。
地面上では距離2倍で12dBの減少になります。
せん断波・横波
粒子は波の伝搬方向と直角に運動するものです。
これが横波です。
圧縮などの体積の変化は伴いません。
波面の広がりによる減衰は疎密波の場合と同じです。
地面上では距離2倍で12dBの減少になります。
レイリー波
地表面に発生するものです。
固体と真空または気体の境界に沿って発生する表面波です。
レイリー波では粒子は波の進行方向(地平面)と直角な鉛直面内で楕円運動をする 。
深さに対しては急激に弱まり2波長も入るとほとんどなくなります。
周波数が高ほど深さ方向に対しては伝わらないですね。
周波数が低いと波長が長くなるので深くまで伝わります。
例えば200m/sの伝搬速度で周波数が8Hzなら以下の様になります。
200÷8=25m
25m×2倍=50m
50m程度の深さではほとんどレイリー波はなくなるってことですね。
レイリー波の伝搬速度はせん断波の速度より少しだけ遅いです。
他の波に比べて最も減衰が小さいので公害振動ではこの波が問題になります。
伝搬による減衰量
伝搬による減衰量には以下の事項が関与します。
- 距離とともに波面の広がりによる減衰
- 媒質内の吸収減衰
これらの減衰形として減衰量(dB)を数式に表すと下記の様になります。
- ar1:r1点の加速度(m/s2)
- ar2:r2点の加速度(m/s2)
- λ:内部減衰の定数
- r1:距離
- r2:距離
- n:波面の広がり定数(レイリー波の場合は1/2)
この式により減衰量(dB)を算出できます。
最後に
地面を伝わる振動ってどの距離でどの程度減衰するかって気になりますね。
振動も騒音と一緒で離れれば減衰します。
伝わる媒質が空気ではなく地面によるっていうところが違うだけです。
この媒質が結構厄介ですけれども実測するのが最も実態を反映するんじゃないかなと思います。
実測するときも波がどんな種類で存在しているのかを知ることは重要ですね。
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