製品の情報
溶接ヒューム中のマンガン濃度測定が必要になりました。
この場合の溶接材料のSDSの確認です。
今回は溶接材料としてのSDSの確認です。
軟鋼やワイヤーの記載があります。
アーク溶接では以下のものが発生します。
- ヒューム
- ガス
- 有害光線(強い可視光線、赤外線及び紫外線)
- スパッタ
アーク溶接中に飛散する溶融金属の微 小粒子のこと - スラグ
溶接の際に金属から出てくるカス
粉じんによる影響
ヒュームを多量に吸入したときは金属熱の症状が出ます。
長期間吸入した場合は、じん肺になる可能性があります。
じん肺は鉱物性のほこり(無機粉じん)を長期間、吸い込み続けた結果、肺内に粉じんが沈着して発症する病気です。
じん肺は以下の種類があります。
- けい肺(けい酸)
結晶シリカ(ケイ酸)粉塵を吸入することで生じる - 石綿肺(アスベスト)
- 滑石肺(けい酸化合物)
タルク粉じんを吸入することで生じる
化粧品などに用いられます。 - アルミニウム肺(アル ミニウム)
- アーク溶接工肺(酸化鉄)
- 炭肺(炭粉)
これらは「粉じん作業」として「粉じん障害防止規則」による管理が必要です。
有害性の情報
溶接材料にはマンガンや銅が含まれています。
溶接材料中の含有量は以下の通りです
マンガンは10%以下、銅は1%以下程度です。
- マンガン 10%以下
- コバルト
- シリカ
- 酸化チタン(Ⅳ)
- ニッケル化合物 10%程度
粉じん、ヒューム中には複合酸化物として以下の物質が含まれます。
- 鉄
- マンガン
- けい素
- ナトリウム
- チタン
- 6価クロム化合物
- 酸化ニッケル(ニッケル化合物)
ガス上物質としては以下の発生が考えられます。
- 一酸化炭素
- 二酸化炭素
- オゾン
- 窒素酸化物
急性毒性としては以下の症状が考えらます。
- 涙目
- 鼻やのどの痛み
- 頭痛
- めまい
- 呼吸困難
- 頻繁な咳
- 胸痛
感作性の症状としてはぜんそくがあります。
慢性毒性としては上記に示した通りじん肺が考えられます。
発がん性としてはヒューム及びスラグ中に含まれる物質によるものが考えられる。
- 6価クロム化合物
- ニッケル化合物(金属ニッケル及びニッケル合金を除く)
最後に
今回は溶接材料について有害性を確認しました。
マンガンだけでなく他物質の含有もあり、気になります。
有害物質だけではなく、粉じんとしての管理も重要かもしれません。
コメント