畑の有害物質
自家栽培など畑で農作物を栽培する場合その土壌が汚染されてないかって気になりますよね。
これに関する規制に関してはいくつかあります。
それぞれ適用対象や項目も異なります。
基準を超える値が出たからって汚染されているわけではないです。
土地の特性だったりします。
栽培するものによっては影響がないものもあります。
まずは知ることからはじめましょう。
農用地の土壌の汚染防止等に関する法律
まずは「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」というものがあります。
こちらは農林水産省の管轄になります。
これは農用地の土壌に含まれる特定有害物質により、人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産され、または農畜産物の生育が阻害されることを防止することを防止することを目的として制定されています。
この法律の特定有害物質は対象物質はカドミウム、銅、ヒ素となっております。
特定有害物質が3物質と少ないような感じがしますね。
これら3物質は自然由来で検出されることがあります。
このため都道府県知事が特定物質が指定要件に合致した場合は、「農用地土壌汚染対策地域」と指定した上で「農用地土壌汚染対策計画」を策定しかんがい排水施設の新設や客土、汚染農用地を復元するための対策を講じることを規定しています。
汚染を除去したりする対策を講じてくれるということですね。
このため自家栽培のような土壌はあまり対象にはならないと考えます。
環境基本法-土壌環境基準
続きまして土壌の環境基準です。
これは環境基本法によるものです。
管轄は環境省ですね。
目的は人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準とされています。
生活環境を対象としていますね。
こちらのが項目は多くて26項目となっています。
項目 | 環境上の条件 |
---|---|
カドミウム | 検液1Lにつき0.003mg以下であり、かつ、農用地においては、米1kgにつき0.4㎎以下であること。 |
全シアン | 検液中に検出されないこと。 |
有機燐(りん) | 検液中に検出されないこと。 |
鉛 | 検液1Lにつき0.01mg以下であること。 |
六価クロム | 検液1Lにつき0.05mg以下であること。 |
砒(ひ)素 | 検液1Lにつき0.01mg以下であり、かつ、農用地(田に限る。)においては、土壌1kgにつき15mg未満であること。 |
総水銀 | 検液1Lにつき0.0005mg以下であること。 |
アルキル水銀 | 検液中に検出されないこと。 |
PCB | 検液中に検出されないこと。 |
銅 | 農用地(田に限る。)において、土壌1kgにつき125mg未満であること。 |
ジクロロメタン | 検液1Lにつき0.02mg以下であること。 |
四塩化炭素 | 検液1Lにつき0.002mg以下であること。 |
クロロエチレン(別名塩化ビニル又は塩化ビニルモノマー) | 検液1Lにつき0.002mg以下であること。 |
1,2-ジクロロエタン | 検液1Lにつき0.004mg以下であること。 |
1,1-ジクロロエチレン | 検液1Lにつき0.1mg以下であること。 |
1,2-ジクロロエチレン | 検液1Lにつき0.04mg以下であること。 |
1,1,1-トリクロロエタン | 検液1Lにつき1mg以下であること。 |
1,1,2-トリクロロエタン | 検液1Lにつき0.006mg以下であること。 |
トリクロロエチレン | 検液1Lにつき0.01mg以下であること。 |
テトラクロロエチレン | 検液1Lにつき0.01mg以下であること。 |
1,3-ジクロロプロペン | 検液1Lにつき0.002mg以下であること。 |
チウラム | 検液1Lにつき0.006mg以下であること。 |
シマジン | 検液1Lにつき0.003mg以下であること。 |
チオベンカルブ | 検液1Lにつき0.02mg以下であること。 |
ベンゼン | 検液1Lにつき0.01mg以下であること。 |
セレン | 検液1Lにつき0.01mg以下であること。 |
土壌汚染対策法-土壌関係
最後は土壌汚染対策法に関わるものです。
こちらは市街地の土壌汚染への対策を基本としています。
工場や事業場の跡地が汚染されて周辺住民への健康被害を防ぐものです。
工場や事業場と言うのは「水質汚濁防止法等」の特定施設を示します。
過去の「有害物質」が使用されていた可能性がある工場、事業場ですね。
汚染された土壌により、人への健康被害を防止する観点で制定されています。
こちらは27項目の有害物質が定められています。
調査する人の資格者や汚染への対策など細かく定められています。
水質の管理も重要
田んぼなど用水路から水を引く場合は、水質にも注意が必要です。
近隣に工場がある場合は、有害物質を含む水が排出されている可能性もあります。
有害物質などを含む特定施設は水質汚濁防止法という法律で規制されています。
規制基準を超える水は公共水水域や地下水への排出はできないことになっております。
浄化処理して一定の基準を満たした水質で排水することが求められています。
健康被害が場合は事業者の賠償責任が定められております。
有害物質を含む水が排水基準を満たさない恐れがある水が公共用水域に排出されたときは直ちに応急措置をし、速やかに事故状況と講じた措置の概要を県や市に届け出なければならないとしています。
怠った場合は罰金の措置もあります。
しかし、工場排水処理施設の劣化などにより工場敷地外に漏れ出すこともあります。
例えばプリント基板製造会社から硫酸銅が流出した事件が最近起きました。
これは廃液を貯める槽から排水処理槽に送るホースが外れたのが原因だそうです。
壁面からも青緑色の液体が染み出ているのが確認出来たとのことです。
用水路に流出した廃液は下流の用水路でアマゴという魚が複数死んでいるのが確認できたそうです。
これについては因果関係は不明だということです。
農作物の栽培には水質管理も重要ですね。
最後に
うちでも庭で野菜を栽培しています。
その時の土壌が汚染されていて育てたものに移行していないかって気になりますよね。
住宅建築で盛り土なんかで他から持ってきた場合の土壌はどうなっているか気になりますね。
私の経験上、一般地域で自然由来以外で土壌が汚染されていた事例は少ないです。
自然由来のものも高濃度ではなく、基準値を少し超えたくらいです。
あまり心配し過ぎない程度に気にかけましょう。
大切な地球の土壌を今後も維持して行きたいですね。
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