はじめに
騒音測定においてよく等価騒音レベルという言葉が出てくると思います
騒音レベルと等価騒音レベルって何が違うんでしょうね。
騒音レベルってつくから両方一緒じゃないって思っているかもしれません。確かに両方とも騒音レベルです。しかしこれが穏やかな海と荒れた海ほど違います。
この記事では等価騒音レベルについて解説していきます。
等価騒音レベルができた経緯
等価騒音レベルは、自動車からの騒音のように時間によって大きく変動する騒音レベルを評価するために作成されました。
具体的には、自動車が通った時は大きな音がします。
でも自動車が通り過ぎてしまえば音はなくなります。
当然、自動車の台数が多いほどこの音の連続は途切れないものです。
この状態をある一定時間内において、どれぐらいの大きさであるかということを評価するために用いられています。
それまでは時間率騒音レベルというものが用いられていました。
こちらはある一定間隔において騒音レベルの大きさを計測します。
例えば5秒間隔で音をとったとします。その音を下から順番に100個並べます。
この並べた50番目の値を評価値として用いていました。
現在でも時間率騒音レベルは工場騒音などに用いられております。
これがなぜ等価騒音レベルに置き換わったかと言うと苦情の実態と対応しやすいからです。
騒音はエネルギーの大きさを示している
騒音とは音のエネルギーの大きさを示したものです。
このエネルギーが一瞬で大きくくるか、継続して一定でいるかによって人の感じ方は変わってきます。
下の図は騒音レベルと等価騒音レベルの概念図です。
等価騒音レベルの計算
等価騒音レベルの計算は以下の式を用います。
LAeq:等価騒音レベル(dB)
T:測定時間(t1~t2)
PA:A特性音圧
P0:基準音圧(20μpa)
ある一定期間の騒音レベルを積分するということです。
実際の騒音レベルは下の図のように変動しております。
この期間等価騒音レベルはどのくらいだと思いますか?
大体予想をつけてみてください。
解析ソフトで計算すると59.4dBになります。
等価騒音レベルもどこの部分を切り取るかによって変わってきます。
例えば上の一部分を切り取ってみます。
この区間の等価騒音レベルは34.3dBです。
また違った部分を切り取ってみます。
この区間の等価騒音レベルは66.6dBです。
切り取る部分によってだいぶ変わってきますね。
これが解析のポイントになってきます。
最後に
今回は等価騒音レベルについて解説してみました。
音はエネルギーだと思ってください。
どの時間帯を切り取るかによって音の平均レベルは変わってきます。
そのため積分型騒音計というものが非常に有効になってきます。
少しお高いですがそういったものを利用して測定を行ってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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