化学防護手袋って?

労働環境

皮膚からの侵入を防ぐ

例えば空気中の有害物質濃度が低濃度で問題なくても化学物質が皮膚から侵入することがあります。

これを経皮ばく露って言います。

例えば平成27年に化学工場で複数の労働者が膀胱癌を発症していることが明らかとなりました。調査の結果、経皮からの暴露があることが判明しました。

これをきっかけに経費曝露防止対策として特化則にある規則内容が強化されました。

例えば保護眼鏡及不浸透性の保護衣保護手袋保護長靴を使用させなければならないとのことです。

保護手袋をしなければいけない物質

下記に示す物質を使用してれば保護手袋等が必要になります。

【第1類物質】
ジクロルベンジジン及びその塩
塩素化ビフェニル,
オルトートリジン及びその塩,
ベリリウム及びその化合物,
ベンゾトリクロリド

【第2類物質】
アクリルアミド
アクリロニトリル
アルキル水銀化合物
エチレンイミン,
オルトートルイジン
オルトーフタロジニトリル
クロロホルム
シアン化カリウム,
シアン化水素
シアン化ナトリウム
四塩化炭素
1,4-ジオキサン
3,3′-ジクロロー4,4′-ジアミノジフエニルメタン
ジクロロメタン
ジメチル-2,2-ジクロロピニルホスフェイト
1,1-ジメチルヒドラジン
臭化メチル
水銀及びその無機化合物
スチレン
1,1,2, 2-テトラクロロエタン
テトラクロロエチレン
トリレンジイソシアネート
ナフタレン
ニトログリコール
パラーニトロクロロベンゼン
弗化水素
ベンゼン
ペンタクロロフェノール
マンガン及びその化合物 (シクロペンタジエニルトリカルボニルマンガン又は2-メチルシクロ|ペンタジェニルトリカルボニルマンガンに限る)
沃化メチル
硫酸ジメチル

どんな手袋選ばなきゃいけない

透過浸透に関する性能を考慮して行なってくださいとのことです。

透過とは表面に付着したものが内部に侵入することです。じわじわと染み込んでいく感じですかね。

保護手袋耐等価性の分類

クラス平均標準破過点
検出時間
6480分超
5240分超
4120分超
360分超
2
30分超
110分超

浸透とは穴などがあってその内側に浸入することです。ちっちゃい穴があってそこを通って侵入する感じですかね。

クラス品質許容水準
(AQL)
44.0
32.5
2
1.5
10.65

品質許容水準というのは小さい方がいいそうです。

二つの性能が逆になっているので分かりづらいかもしれないですね。

耐透過性はクラス6を耐浸透性はクラス1を選ぶのがいいのかもしれません。

使用するときに注意すること

使用時に注意することについて以下に示します。

  • 穴が空いていないか内側に空気を吹き込むなどして確認する
  • 作業に対して余裕のある使用可能時間の手袋を使用する。
  • 作業中断しても使用可能時間は延長しない。引き続き浸透している可能性がある。
  • 強度向上などで二重装着した場合でも使用可能時間を守る。
  • 手袋をしている場合でも他の部分に化学物質がつかないように注意する。

最後に

手袋をしていればなんとなく化学物質が防がれてるような気がします。

でもそんなことはなくて手袋の内側に浸透して来ています。古い手袋を長く使うよりも新しい手袋を交換しながら使った方がいいんだと思います。

これをきっかけに手袋について考えてみてください。

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