はじめに
化学物質を使う作業において、作業をしている人が化学物質にばく露されないようにするために局所排気装置というものが設けられていると思います。
この局所排気装置というものは、化学物質を発生する場所に設置されており桐生の流れによって化学物質を遠くの場所に運ぶものです。
換気扇みたいな全体換気装置とは違って発生してすぐに廃棄するから周辺への拡散がないため非常に有効なものとなっております。
この局所排気装置の気流の流れには制御風速と抑制濃度というものがあります。
大体が制御風速と言われていますが抑制濃度というものも重要であるため、今回はこちらについて説明していきたいと思います。
この記事では抑制濃度について理解できると思います。
抑制濃度とは?
局所排気装置の性能を規定する数値として用いられています。
制御風速と何が違うかと言うと使い方が異なってきます。
一般的にガス状の物質である有機溶剤などは制御風速が用いられます。
一方、特定化学物質のシアンやクロムのようにミスト状のものについては抑制濃度が用いられてきます。
制御風速とは少し使い方が異なってきます。
制御風速は局所排気装置の風の速度を表します。つまり風速で表されてきます。
一方、抑制濃度は発散源付近における有害物質の濃度を示す値になります。
発散源の近くでこの濃度以下であれば作業者のばく露の濃度を安全水準に保つように意図して定めた数値となっております。
厚生労働省抑制濃度一覧
抑制濃度の測定の仕方?
測定位置は、フードの開口面からある程度離れた場所になります。五十センチメートル程度離れれば十分かなと思います。
測定の数は5点以上行うことが必要となります。
これはフードの形状などにより異なってきます。
測定は作業が定常的に行われている時に、1日1回以上行います。
採取時間は10分間以上の継続した時間となっております。
分析の仕方は?
分析の仕方は作業環境測定基準に従うこととなっております。
作業環境測定などを行っている場合であれば作業環境測定士に頼めば良いです。
評価は?
評価は得られた値の幾何平均値が抑制濃度以下であれば局所排気装置の性能は満たされていると判定します。
この抑制濃度は物質ごとに定められています。
有機則適用のものは制御風速であるため特定化学物質などが主に対象となってきます。
抑制濃度測定後の風速での管理
この抑制濃度の測定は最初に局所排気装置を設置した時に抑制濃度の測定も行うとともに局所排気装置の風速も測定します。
この最初の抑制濃度の測定結果に問題がなく抑制濃度が満たされていれば局所排気装置は適合しているということになります。
この時測った局所排気装置の風速を利用しながら定期点検で風速に変化がなければ正常に局所排気装置が維持されていると判断できます。
このため2回目以降は抑制濃度の測定は必要なく風速のみの測定で十分といえます。
最後に
今回は抑制濃度について説明いたしました。
有害物質発散源の側で測定したデータから、この濃度以下であれば作業者が有害物質に曝露されにくいということを設定したものです。
発散源管理することで暴露濃度を抑えようということになってくると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント