有害性って

労働環境

有害性の種類って?

有害性ってなんだろうって思いますよね。

これは化学物質の持つ固有の性質のひとつで有害さを示す度合いになります。

でもこの有害性についても症状が現れるまでの期間や種類って色々なものがあります。

全てが分かっているものではなく不確実なものが多いです。

  • 急性毒性とは化学物質に暴露してから数日以内に発症または死に至る特性です。
  • 慢性毒性とは化学物質に直感暴露した時に数ヶ月から数年してから発症または死に至る毒性を指しますこちらには発がん性や催奇形成も含まれてきます急性毒性と比べて低い濃度で現れやすくなっております
  • 発がん性は化学物質を実験動物に暴露させて腫瘍や前がん細胞の有無を調べるものです。
  • 催奇形性次の世代への影響の有無が調べてられています。

当然いくつか組み合わされるものもあるんですよね。

どうやって調べる?

一般的には絵表示されています。

これは「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」GHSというもので分類されています。この中には以下の事項が含まれています。

  • 危険性と有害性を基準に従って分類
  • 内容を表示やラベルで示す。
  • 安全データシート(SDS)を作る

世界共通で分かりやすくしようとする感じですね。

GHS分類におけるの健康有害性

GHSで示されている有害性は以下の項目があります。

GHS分類-健康に対する有害性

危険有害性分類結果シンボル注意喚起語危険有害性情報
急性毒性(経口)区分5-警告飲み込むと有害のおそれ(経口)
急性毒性(経皮)区分外---
急性毒性(吸入:ガス)分類対象外--
急性毒性(吸入:蒸気)区分外--
急性毒性(吸入:粉じん、ミスト)分類できない-
皮膚腐食性・刺激性分類できない-
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性区分2A-2B感嘆符警告強い眼刺激
呼吸器感作性又は皮膚感作性呼吸器:分類できない-
皮膚:分類できない
生殖細胞変異原性区分外-
発がん性分類できない-
生殖毒性区分1B健康有害性危険生殖能または胎児への悪影響のおそれ
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)区分1(中枢神経系、視覚器、全身毒性)健康有害性危険中枢神経系、視覚器、全身毒性の障害
区分3(気道刺激性、麻酔作用)呼吸器への刺激のおそれ、眠気およびめまいのおそれ
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)区分1(中枢神経系、視覚器)健康有害性危険長期又は反復ばく露による中枢神経系、視覚器の障害
吸引性呼吸器有害性分類できない-

GHS分類-環境に対する有害性

危険有害性分類結果シンボル注意喚起語危険有害性情報
水生環境急性有害性区分外---
水生環境慢性有害性区分外---

実際に確認してみよう

ここでトルエンの SDS について確認してみたいと思います。

まず製品、会社情報出てくるんですけどもここら辺はざっと読んでいてください。

続いて危険有害性の要約っていうのが出てくるんですけれども、物理化学的危険性については省略します。
健康に対する有害性っていう項目のところを見ます。
急性毒性経口、急性毒性経皮が区分外になってますね。
これは飲み込んだり皮膚からの吸収に対しては該当しないっていう風に考えます。
最も影響するのは急性毒性の吸入蒸気の区分4ですね。
実際トルエンは揮発性が高いため吸入することが多くなります。

区分をざっと確認しよう

他に皮膚腐食性、刺激性、眼に対する重篤な損傷、眼刺激性、皮膚感作性、生殖毒性、特定標的臓器の全身毒性、吸引性呼吸器有害性などがあります。
例えば皮膚感作性なんてのはアレルギーですよね。

あと環境に対する有害性があります。
トルエンについては環境水生毒性の急性と慢性が区分されております。

物性は引火性の高い液体及び蒸気で吸入すると有害ということです。

生殖、胎児、授乳時に悪影響のおそれがあるため、特に女性は注意が必要ですね。
長期に反復暴露すると中枢神経腎臓の障害があります。
飲み込むと気道に侵入して生命の危険の恐れがあるということです。

あと水生生物の毒性があるので排水しないようにしたいですね。

影響についても確認しておこう

安全対策についても記載されております。
主に火気厳禁ですね

救急処置についても書かれていますね。
飲み込んだ場合口を洗いて無理に吐かせない。
気道への障害があるからそうなるのかなと考えます。
緊急の救急処置に関しては中毒110番というものがあるのでそちらを利用するのも手です。

保管方法についても書かれていますよね。
この後、組成や応急処置、火災時の措置漏えい時の措置、保管上の措置などについて書かれています。
ばく露防止や保護具については重要で設備の対策や管理濃度、許容濃度、保護具が示されています。
こちらはよく見た方がいいかもしれません

環境管理情報は確認しよう

物理特性および化学的組成は沸点融点や蒸気圧について確認すると挙動が分かりやすいと思います。
一般に蒸気圧は大きいほど揮発しやすいと言われています。
その後の情報も重要です。

有害性情報ですね急性毒性や慢性毒性、皮膚刺激性などに対して動物実験の結果が書かれています。
各用語は下記の通りです。

ラットってねずみの大きいサイズですね。

  • LD50(50%致死量):Lethal Dose 50
    ある一定の条件下で動物に試験物質を投与した場合に、動物の半数を死亡させる試験物質の
  • LC50(50%致死濃度):Lethal Concentration 50
    ある一定の雰囲気条件において、動物の半数を死亡させてしまう試験物質濃度

人間に換算するとどうなるのでしょうか?
ラットと動物は同じではないので実際は補正された数値が基準等になっています。

ラット 経口 LD=5,000mg/kg =5g/kg
 体重60㎏とすると 5g/kg×60kg=300g
 人に換算するとLD50は300gですね。

ラット 吸入 LC=4,000ppm=0.4%
 こちらは濃度なので人に換算しても一緒かなと考えます。

ラット 経皮 LD=12,000mg/kg =12g/kg
 体重60㎏とすると 12g/kg×60kg=720g
 人に換算するとLD50は720gですね。

発がん性に関してはIARC グループ3となり、人には発がん性は分類されていません。
IARC分類は下記のとおりです。

IARC発がん分類

グループ1
(120種類)
ヒトに対する発がん性がある。
(Carcinogenic to humans)
例)アルコール飲料、ベンゾ[a]ピレン、ベンゼン、アフラトキシン等
ヒトへの発がん性について十分な証拠がある場合
グループ2A
(81種類)
ヒトに対しておそらく発がん性がある。
(Probably carcinogenic to humans)
例)アクリルアミド、亜硝酸塩等
ヒトへの発がん性については限られた証拠しかないが、実験動物の発がんについては十分な証拠がある場合
グループ2B
(299種類)
ヒトに対して発がん性がある可能性がある。
(Possibly carcinogenic to humans)
例)わらび、漬けもの、鉛等
ヒトへの発がん性については限られた証拠があるが実験動物では十分な証拠のない場合
ヒトへの発がん性については不十分な証拠しかないあるいは証拠はないが、実験動物は十分な発がん性の証拠がある場合
グループ3
(502種類)
ヒトに対する発がん性について分類できない。
(Not classifiable as to its carcinogenicity to humans)
ヒトへの発がん性については不十分な証拠しかなく、実験動物についても不十分又は限られた証拠しかない場合
他のグループに分類できない場合
グループ4
(1種類)
ヒトに対する発がん性がない。
(Probably not carcinogenic to humans)
ヒトへの発がん性はないことを示す証拠があり、かつ実験動物についても同様な証拠がある場合

発がん性は特に注目しよう

その他以下の事項が記載されいます。今回は省略します。

  • 環境影響情報
  • 廃棄上の注意
  • 輸送上の注意
  • 適用法令
  • その他情報

最後に

有害性の情報は複雑ですね。
まだまだ分からないこともあります。

一般的に厳しくなることはあっても毒性がなくなることはありませんね。

私たちが使っている物質の情報をしっかり確認してみましょう。

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