水質の立ち入り検査って?

生活環境

経緯は?

水質検査の立ち入りってどうして行われるの?

地方事務所の職員が工場に検査に行きませんか?

これは水質汚濁防止法に基づく立入検査です。

水質汚濁防止法では公害防止管理者と言われる有資格者が、有害物質を公共水域(河川・用水路)に排出しない様に管理しています。

しかし過去に大手鉄鋼工場において汚水流出・排水データ改ざんと言う問題行為が行われました。

これは鉄鋼大手のJFEスチールが、2005年2月3日に国の基準を超えるアルカリ水また県の条例を超えるシアンを排出しており、また、この工場内の水質測定データが3年間にわたって改善されていたことも明らかになっています。

2004年11月に千葉海上保安部が工場完璧が白く脱色しているのを発見しました。

これを受けて水質汚濁防止法の基準値を上回る高アルカリ水の漏出の疑いで立ち入り検査を実施したところ発覚しました。

これにより立ち入り検査の必要性が出てきたわけです。

参考:水質汚濁防止法に基づく立入検査マニュアル策定の手引き

どんな目的でくるの?

水質汚濁防止法の目的を果たすために行います。
具体的には以下の通りです。

水質汚濁防止法の目的

水質汚濁防止法 第1条(目的)

この法律は、工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、生活排水対策の実施を推進すること等によつて、公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化することを含む。以下同じ。)の防止を図り、もつて国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。

参考

水質汚濁防止法第 22 条第1項
環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めると
ころにより、特定事業場の設置者又は設置者であつた者に対し、特定施設の状況、汚水等
の処理の方法その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、その者の特定事業場
に立ち入り、特定施設その他の物件を検査させることができる

水質汚濁防止法施行令第8条第1項及び第2項
第8条 環境大臣又は都道府県知事は、法第 22 条第1項の規定により、特定事業場の
設置者又は設置者であつた者に対し、特定施設の使用の方法、汚水等の処理の方法、排出
水の汚染状態及び量(指定地域内の特定事業場に係る場合にあつては、排水系統別の汚染
状態及び量を含む。)、特定地下浸透水の浸透の方法並びに法第5条第1項第8号及び同
条第2項第8号の環境省令で定める事項について報告を求めることができる。
2 環境大臣又は都道府県知事は、法第 22 条第1項の規定により、その職員に、特定
事業場に立ち入り、特定施設及び汚水等の処理施設並びにこれらの関連施設、特定施設に
おいて使用する原料、当該特定事業場の敷地内の土壌及び地下水並びに関係帳簿書類を検
査させることができる。

それに伴って以下の条項などに沿って行われます。

①法第3条第3項 (上乗せ排水基準の設定)
② 法第4条の3第1項 (総量削減計画の策定)
③ 法第4条の5第1項及び第2項 (総量規制基準の設定)
④法第5条から第7条まで (届出の受理)
⑤ 法第8条及び第8条の2 (計画変更命令等)
⑥ 法第12条 第12条の2及び第12条の3(排出水の排出の制限等)
⑦法第13条第1項及び第3項並びに第13条の2第1項 (改善命令等)
⑧法第14条(測定結果の記録、 排水方法の適切化等)
⑨法14条の2 (事故時の応急措置命令)
⑩ 法第14条の3 (地下水の浄化措置命令)
⑪法第18条 (緊急時の措置命令)
⑫法第23条第4項 (鉱山等に関する関係行政機関の長への要請)

どのくらいの頻度?

一つの事業場には、年に多くて数回程度です。

排水量が多い事業者には複数回の立ち入りがあるものです。

但し立ち入りがなくても規制基準は常時適用されているので遵守は必要です。

規制基準を超過した場合は報告が必要になって来ます。

立ち入り検査の人数も1人ではなく、2人くらいで来ることが多いですよね。

見落としや事故防止などの観点もあるそうです。

規制基準って?

規制基準ってなにかってところですが以下のものがあります。

規制基準
  • 排水基準
  • 総量規制基準
  • 地下浸透基準

規制基準遵守のための各規定

常時事業者に規制基準を遵守してもらうために、規定が適正に運用されてるかの確認もされます。

排水調査の基準遵守のみでなく、届出との照合や自主管理状況の確認も行われます。

規定
  1. 基準守義務
  2. 届出計画変更命令
  3. 改善命令等
  4. 汚染状態等の測定
  5. 報告・検査
  6. 罰則
  7. 特定地下浸透水の浸透の制限

最後に

公害問題から50年以上たち、水質汚濁防止法も歴史を積み重ねてきました。

有害物質の排出も減り、使用物質も

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