どんな時に使ってる?
最近は手放せなくなったマスクについてその種類が豊富にありますので色々と調べて使い方について考えてみました。
働く環境では呼吸用保護具と言われています。有害物質から私たちを守ってくれます。
ただ使うだけではなく、その現場に適したものを選ぶことは必須です。
私は粉じんの作業場で電動ファン付きマスクを良く使用しています。
充電は必要ですが、呼吸が楽で漏れ込みは少ない(無いかな?)って気がしています。
どんな種類があるの?
マスクの種類も様々です。
簡単な特徴を下記に示します。
種類 | 特徴 |
---|---|
防じんマスク (動力なし) | 粒子状物質の除去 |
防毒マスク | ガス状物質の除去 |
電動ファン付き | ファンがあるため呼吸が楽、マスク内が陽圧のため漏れが少ない |
送気マスク | ホースを使いきれいな場所の空気を送る |
空気呼吸器 | ボンベできれいな空気を運び使う |
電動ファン付きがおすすめ
どんな場所で使える?
呼吸用保護具は以下の種類があります。
特に粉じんや有機溶剤が混在している作業場などでは管理が難しいですね。
送気マスクなんかは物質を選ばないので楽かもしれませんが、私は送気マスクを装着している作業者にお会いしたことないですね。
そこまで有害な職場に行ってないのかな?
結構、作業環境で第3管理区分の作業場でもマスクを装着してなかったりしてますね。
有害物質の種類 | 選べるもの |
---|---|
粉じん等 | 防じんマスク 防じ機能付き防毒マスク 電動ファン付きマスク 送気マスク 自給式呼吸器 |
有害ガス | 防毒マスク 有害ガス用電動ファン付きマスク |
粉じん・有毒ガスが混在している | 防じん機能付き防毒マスク 防じん機能付き有毒ガス用電動ファン付きマスク 送気マスク 自給式呼吸器 |
有害物質の種類がわからない | 送気マスク 自給式呼吸器 |
有害物がわからなければその場の空気は利用しない
規格はどうなっている?
日本とアメリカの規格を比較すると以下の通りです。N95はアメリカの規格ですね。
DS/DL1・RS/RL1以外は同等以上の性能ですね。
サージカルマスクとは医療用のマスクということで規格としては N 95と同等程度となっております。
因みにDは使い捨て、Rは取り換え式を表すそうです。
Sは試験粒子に固体のS塩化ナトリウム(NaCl)を用い測定
Lは試験粒子に液体のLフタル酸ジオクチル(DOP)を用い測定
日本の規格
クラス名 | 捕集効率 (%) | 吸気抵抗 (Pa) |
DS/DL1 | 80 | 60 |
DS/DL2 | 95 | 70 |
DS/DL3 | 99.9 | 150 |
RS/RL1 | 80 | 70 |
RS/RL2 | 95 | 80 |
RS/RL3 | 99.9 | 160 |
アメリカの規格
クラス名 | 捕集効率 (%) | 吸気抵抗 (Pa) |
N/R/P 95 | 95 | 350 |
N/R/P 99 | 99 | 350 |
N/R/P 100 | 99.97 | 350 |
D・Rとも2以上ならN95マスクと同等以上
フィットテストって?
令和元年度に化学物質による労働者の健康障害措置に係る検討委員会においてフィットテストが義務化されました。
フィットテストとは、マスクがちゃんと装着しているかどうかは確認するためのものです。
防じん、防毒マスクって顔に密着しているようで隙間があるとそこから漏れ混んでくる有害物質があるそうです。
今回の改正においては溶接ヒュームにおいてマスクを装着して健康障害を防止しようということになりました。
これまでは、有害物質の使用禁止代替物への変更、全体換気装置局所排気装置などの工学的対策、立ち入り禁止作業方法の改善時間の短縮などの管理的対策において労働者が働く環境を改善していこうというものでした。
しかしそれでも改善できない作業については防塵、防毒マスクを最後の砦として利用を認めていました。
呼吸用保護具に関しては適切な選択と装着があって初めて性能が発揮されるものです
しかし、溶接ヒュームにおいてはマスク以外の選択肢がないということでこの措置が取られるようになりました。
そのためそのマスクがちゃんと装着されているかどうかを確認する手段が必要になったわけです。
海外においてもフィットテストは国際規格があります。
・アメリカ労働安全衛生庁(連邦法29CFR 1910.134 Appendix A)
・ISO 1697-32017フィットテスト手順
欧米では防塵マスクの利用時にはフィットテストは義務化されています。
日本においても令和5年4月から年1回の義務化が始まります。
フィットテストにもいくつか種類があり使うマスクごとに要求防護係数と言われる基準値等が異なります。
誰もができるわけではなく、フィットテスト実施者という講習を受講した専門家が行うこととなります。
この形は局所排気装置の定期自主検査と似ていると思います。
このフィットテストに関してはまた詳細に説明した記事を書きたいと考えています。
最後に
普段の生活に手放せなくなったマスクですが、労働環境においては健康障害を予防するために必須です。
溶接ヒュームのマンガンを測定後、指定防護係数以上のマスクを選定する必要も出てきました。
2023年(令和5年)からはマスクのフィットテストも必要になります。
マスクに対する重要性が増してきた昨今ですね。
正しい知識を得て、有効なマスクを選定し、適切に装着するようにしたいものです。
コメント